こんにちは!Balboa studioスタッフの近藤です。
当記事では整骨院の開業を検討中の方に向けて、店舗デザインで気を付けたい点や内装を考える際のポイントを紹介します。
整骨院や接骨院、整体を開業する際は保健所が定めている構造設備の基準に従わなければなりません。
構造設備基準は、整骨院を開業しようとする都道府県や保健所で異なるといわれています。
そのため、かならず開業を予定している地域の保健所のホームページで確認するようにしましょう。
どのような基準があるのかというと、例えば施術室については「6.6平方メートル以上の専用の部屋であること」「専用性確保のため、他の部屋とは壁やパーテーションなどで完全に区切り、出入り口も扉が設置されていること」などの基準があります。
待合室では「3.3平方メートル以上であること」「『あんま・マッサージ・指圧、はり、灸』の施術所と『柔道整復』の施術所を併設の場合、それぞれの施術室に直接通じている」などの基準があり、受付においても「待合室、施術室どちらに設置しても良いが、施術室内に設ける場合は施術室の専用性を損なわないこと」という基準があります。
かなり細かい内容のものもあり、S県O市の保健所の基準を例にすると、手洗い場を施術室内に設置してくださいとの指示があり、バックヤードの流し場は手洗い場として認められないという担当者もいました。
この辺の解釈が担当者によって異なり、レイアウト設計の変更を余儀なくされるかもしれないので、設計の時点でかなり注意深く構造設備基準を調べておいた方が良いでしょう。
接骨院を開業する場合も飲食店やジム同様に最初にコンセプトを固めることが必要です。
例えば、「下町でアットホームな気軽に入りやすい接骨院」「オフィス街のビジネスマン向けの接骨院」「スポーツマンに頼られる接骨院」といったイメージを明確にするためです。
イメージを明確にすることで、店を構える立地や内装、機材などを決めやすくなるでしょう。
とはいっても普段コンセプトについて考える機会などほとんど無いと思うので、コンセプトの決め方の3ステップを紹介します。
1ステップ目はアイデアを見つけることです。
自分だったらこういうサービスがあると嬉しいと思うものを考えたり、雑誌やテレビなどで情報を得たり、競合店の動向を探ってみるなどアイデアのヒントはたくさんあります。
アイデアは多ければ多いほど良いコンセプトにつながるので、どんどん探し続けましょう。
アイデアが出ない場合は、お客様に提供できるものを、5W1Hを基に考えてみると良いでしょう。
5W1HとはWhy、Where、How、What、Who、Whichです。
これらを基に自分に質問をすることでおのずとアイデアが生まれてくるでしょう。
Whyは「なぜ」という意味です。
なぜあなたは接骨院を開きたいと思ったのか、という根源的な質問が大きなヒントになるかもしれません。
自分が始めたいと思った理由を突き詰めていくとあなただからこそ提供できる価値が見つかるでしょう。
Whereは「どこ」という意味です。
コンセプトを決めてから場所を考えるのではなく、最初に開業したい場所やできる場所を考えてから、そこに合ったコンセプトを考えるのも良いかもしれません。
Howは「どんなふうに」という意味です。
同じ接骨院であっても内装や外装、BGMが違うと雰囲気はがらっと変わるでしょう。
接骨院という性質上、提供するサービスに違いを出しにくい分、店内の雰囲気や外装がより一層差別化のために重要になってくるでしょう。
Whatは「何を」という意味です。
手技療法や骨盤矯正だけを行うのか、それに加えて鍼灸やハイボルトを行うなど、提供するサービスを増やしたいのかを自分に問うことで理想のターゲット層が見えてくるでしょう。
Whoは「誰が」という意味です。
競合と違うサービスや雰囲気を打ち出すのは難しいですが、そこで働いてくれる従業員1人1人は他にはない財産です。
従業員の出身地や性格、経歴などにコンセプトのヒントがあるかもしれませんね。
Whichは「どれを」という意味です。
豊富なメニューを取りそろえるのか、また逆にメニューをしぼって勝負するのかを考えてみるのも良いでしょう。
2ステップ目では上記で出たアイデアを基に具体的な店舗をイメージします。
まずはアイデアを基に基本コンセプトを決めて、立地、ターゲット、ポジショニング、サービス、メニュー、店外環境、価格、プロモーションの順に具体的に落とし込んでいきましょう。
3ステップ目は満足いくコンセプトにたどりつくまで繰り返します。
理想的な物件を見つけたが既に入居するテナントが決まっていたり、思ったよりも従業員が集まらなかったりするかもしれません。
そうなったときは最初から考え直してみることです。
変える必要のないものはそのままでかまいませんが、変更によって何かのバランスが崩れていないかを確認する必要があるでしょう。
当記事では接骨院を開業する際に注意すべき構造設備基準と、コンセプトの決め方を紹介しました。
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大工や現場監督の経験を生かし、建設業界でお客様と職人の橋渡しを行うとともに、現場での作業の効率化やお客様の要望に対応することを重要視している。現在は名古屋・東京などを拠点に、「店舗・オフィス・施設」、「住まい」、「ライフスタイル」に関する提案を行い、常に新しい挑戦を続けている。