夢を膨らませるために住宅展示場に足を運ぶことは悪いことではありません。
しかし、住宅展示場の家は特別仕様の家であるということを知っておかないとなりません。
また、間取りもゆったりとしていて、あれは実際に人が住むことを前提にして作られていません。
また、最初に「プラン作り」から始めるのも、失敗するパターンです。
夢一杯に広げることから家づくりをスタートさせると、結局予算をオーバーして、「あれを削り」「これを我慢し」と、楽しいはずの家づくりが悲しいものになってしまいます。
かといって、目一杯、限界まで借り入れをすると、外食も出来ない、家族旅行も出来ない、最悪は、ローンを返せなくなって、家を手放すといった事態に至る場合もあります。
では、どうすれば、「夢が叶って」「楽しい」家づくりが出来るのでしょうか?
いきなり現実的な話で恐縮ですが、家づくりのスタートは、お金の話からです。今の自分に、果たして「総額いくらまでの家づくり」が出来るのかを考えないとなりません。
住宅取得に廻せる予算は、通常、
①貯蓄、
②住宅ローンなどの借入れ、
③親等からの援助、
この3つしかありません。つまり、この総額が家づくりに使える予算のすべてということになるのです。
①の貯蓄は、明確だと思いますし、③の親からの援助も、ある程度予測がつくかも知れません。しかし、②の借り入れに関しては、工夫次第で意外と変わってしまうのです。
つまり、今現在払っている家賃は、そのまま返済に当てられますし、毎月貯金していれば、それも加算できます。そして、住宅取得に当たって保険を見直せば、多くの場合、返済に充てられる費用が増えます。
また「家を持つ」という一大事業を行うのですから、毎月のお小遣い、外食費用を節約しても、返済に廻せる予算が増えます。しかし、将来の教育費、持ち家になることによる水道光熱費の増加、固定資産税など税金の増加等々、全ての収入と出費の変化を考えるべきなのです。
それで、総額いくらまでの家作りなら、無理がないかを考えてスタートすべきなのです。
家づくりの総額がハッキリしたら、つぎは予算の配分です。坪単価いくらの家で、何坪にするのか? 建物以外の費用は、どんなものがあって、いくらかかるのか? また通常、坪単価いくらという中には、外構費用、家具、カーテン、照明器具などは含まれていないので、それらの費用は、あといくらかかるのか?
そうしたことを考えないとなりません。
また、住宅ローン借り入れに当たって、ローン手続き費用とか、建物の登記費用とかもかかります。引っ越し代や仮住まいの費用が必要な場合もあります。
そして、土地がない場合は、土地代も必要になります。よく土地のない人で失敗するのが、「総額いくらまでの家づくり」が可能なのかといったファイナンシャルプランの見直しをするまえに、「予算以上」の土地を購入してしまうケースです。
家が欲しい訳ですから、まずどんな家で、何坪なのか? その他の費用はいくらかかるのか? 総額の予算から、それらの費用を引いた残りが「土地予算」になる訳です。
その「土地予算」で、買える土地以上のものを先に買ってしまったら、家は建たない。というのが、紛れもない事実なのです。
資金の予算配分が決まったら、次に、いつまでに「新居」に入居したいのか? です。家を新築する場合、通常は、着工してから4カ月程度はかかります。工事が終わって、お金を払って、引き渡しを受ける日数も考慮しないとなりません。
また、いきなり工事は出来ないので、プランを決めて、金額を確定し、行政機関の建築工事の許可をとるといった作業も必要になります。それらにかかる日数を逆計算して、必要な時期までにプランを決定して初めて、希望の日時に引っ越せるかどうかが決まることになるのです。
お子さんの新学期までに引っ越したいとか、新年を新しい家で迎えたいということであれば、工事に必要な日数、打合せにかかる日数、銀行手続きや、許認可に必要な日数などを全て逆計算しないとならないのです。
一般の会社は、「どんな家がいいですかぁ~」と言って、「プラン作り」や「夢を描かせる」作業からスタートすることが普通ですが、我々バルボア・スタジオは、それでは「夢を削る家づくり」になると考えていますので、絶対にやりません。
総額いくらまでの家づくりなら失敗しないかを考え、どんな家にしたいのかの予算配分を決定し、その後、いつまでに引っ越したいのかを決め、その後やっと「プラン作成」に入ります。
この手順で、家づくりを行うと、予算をオーバーして、「あれを削り」「これを諦めて」といった悲しい作業をしなくてよくなります。
第2ステップで、坪いくらで、何坪の家を建てたいか決めていますので、その範囲で、打合せを進めれば失敗する筈がないのです。
我々バルボア・スタジオは、ご家族全員の全ての希望をお聞きして、話し合って頂くことをお願いしています。その上で、「絶対に叶えたい希望」を2つに絞って頂いています。つまり、優先順位を決定して、予算の許す範囲で、叶えられる希望の範囲を拡大して行くのです。
我々は、お客様の予算の範囲の中で、最大限の希望を叶えて差し上げることがプロの仕事だと思っています。
「希望を全部言ってください」とお聞きして、「見積もってみたら予算をオーバーしました」という提案はしてはならないと肝に銘じているのです。
また、「見積もってみないと分かりません」といったような、定価のない寿司屋のような住宅販売もしてはいけないと思っています。だから、我々バルボア・スタジオは小さな工務店ですが、定価が分かるメニュープランを作っているのです。
坪単価いくらの中に、何が含まれている。入っていないものは、これ。オプションでご用意しているものは、これ。それらを全て選ぶと総額でいくらになる、と明瞭会計にしたいと考えているのです。
家づくりを、土地探しからスタートされる方は、この段階になってから、土地探しをすべきだと我々バルボア・スタジオは考えています。つまり、ほとんどの方が、土地が欲しい訳ではなく、家が欲しい筈ですから、欲しい家、自分に建てられる家が明確になってから、土地探しをすべきだと思うのです。
皆さん、掘り出し物の土地をお探しになっていますが、現実的に「そんなラッキー」は、よほどのことがないと、ありません。駅から近くて、日当たりもいいし、広さもそこそこ、それでいて安い。そんな土地はないのです。
賃貸住宅は、大抵、交通の便利がいい。
しかし、「買える土地」となると、自分の所有物になる代わりに、駅から多少遠かったり、職場から遠くなったり、それほど広くなかったりと、何かを我慢せざるを得ないのです。これが現実です。
土地が暴落して、掘り出し物が出てくるということもないと思います。時期を待てば、いい物件が出てくるということも、それほど大きく期待できないと思います。
我々プロが探しても、「掘り出し物」には、しょっちゅう出会うことはないのです。
そこで、我々バルボア・スタジオは、プロの我々が知りうる「土地の探し方」を、全てお客様にお教えしています。そして、今現在流通している全ての土地情報をご提供することを信条にしています。というのも、全ての土地情報の中で、「納得」して頂けるものがあるかないかをご検討頂きたいと思っているからなのです。
そして、第2ステップで計算した予算の範囲内の土地を探して頂きたいと思っているのです。
決めた土地の形状、方位などによって、第4ステップで考えていた建物が敷地に入らないとか、部屋の位置を変更した方がいいということが起こっても、この段階では、それほど難しい作業ではありません。
選ばれた土地に合うように間取りを変更すれば、建物の予算もオーバーすることなく、総額予算の中に納まる家づくりが出来るのです。
家を、建てたいお客様は、子育て世代の方が圧倒的に多いと思います。
「隣家や階下の人に迷惑かけるから、静かにしなさい!」とか、「うちは狭いからお友達とは、外で遊んでね」とか注意せず、のびのびと大らかに子育てしたい。
こういった切実な想いから家づくりをスタートさせる方が多いと思いますが、ほとんどの子育て世代の方は大きな壁にぶち当たります。それは、お金の問題です。
ワクワクしながら、住宅展示場や大手不動産会社に行くと、「○○さんの予算では、この近所に土地を購入して注文住宅は厳しいですね」、「もっと遠くで土地を探すか、注文をあきらめて建売を買いませんか?」。「自然素材の家は高いですよ。新建材ですが建売でいいのがありますよ」と、笑顔のすてきな営業マンに、やんわりと「注文はあきらめなさい。ましてや自然素材は無理」と説得されます。
営業マンの言うとおり自分たちの想いは我慢して建売を買うか、「どうせ、うちの年収じゃ注文住宅は無理だから、このまま賃貸でいいよ」って家づくりをあきらめてしまうか、どちらかです。
若い方の場合は無理もないのですが、資金的に余裕が無い方がほとんどです。
お金に余裕があるお宅にしたって、変な土地を買ったり、悪質な業者につかまって、夢が悪夢に変わることがないとは言えません。
3回建てないと、満足のできる家はできないと昔からよく言われますが、3回建てるには宝くじにでも当たらない限りほとんどの方が無理です。
ここでご紹介したステップを参考にして頂き、ぜひ家づくりに成功して頂きたいと思います。家が本当に必要な子育ての時期に、あなたの想いが叶う家が建てられます。家づくり、あきらめないでください。
お子さんとの思い出、家族の愛情あふれる家をつくってください。
我々バルボア・スタジオは、自然素材を使った、気持ちのいい家をご提供したいと考えています。しかし、営業は苦手ですし、しつこい営業はしたくないと考えています。お問い合わせ頂いても、電話をしたり、しつこく訪問したりということも一切しておりません。
実際には、少人数でやっていますので、そんなこと出来ないというのも事実です。