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2016.04.04
家づくり見てきた歴史が物語る
こんにちは! 愛知県名古屋市で自然素材にこだわり
住まう人と共に呼吸する家づくりをする
木造注文住宅専門、地域密着工務店の
サイトウホーム代表の斎藤浩司です。現場の本音を言います。
僕がこの建築業界に入ったのは何年前だろう?
大工としては遅いスタートの24歳でした。今だから言える「幸い」とは、その大工スタートが、
田舎大工であった事。要は、プレカット(工場加工)や工場生産に頼らず、
墨付けから始まり手刻みでコンコン穴を掘ったり
する訳ですよ。大きな丸太がやってきて広い土場に並べて「えっこらしょ、えっこらしょ」
大きな丸太を回転させたり面したりしてその丸太の皮むきが小僧の
僕の仕事でした。ど素人だから何もできない、悔しい。中学の一つ下の後輩は中学卒業して直ぐ大工さんの元へ修行し、
僕が修行に入ったその頃、独立したと聞き、その時は正直喜べませんでした。これから覚えなきゃいけない
僕とは、違い後輩はもう、技術を身につけ独立したのだから。「悔しいより情けないな」
「俺、結婚もしてお腹に子供が
いるのに何してんだろ」って。後ろ向いても何も始まらないから、前を向くことだけ考え
それだけ意識してたら、だんだんと夢中になり、
次第と仕事が楽しくなりました。孤独に黙々と作業してると、頭の中で
色んな事を考える。そして気付いたのは、「大工さんって完成を見届けない」
というコト。そりゃそうだよね。大工さんの後に、仕上げの工程が
ある訳だから。だから、いつも完成をイメージしながら、
自分のできる仕事を黙々としました。今になって思うのは、「イメージってとても大切。」
お客さんとの会話の中から、ラフプラン頭の中で書いて空間をイメージするのは
大工時代に養った黙々とイメージしながら作業していたからと思う。話は戻り。そうなんですよ、大工さんの時は完成の建物を見れない。
でも、幸い、土壁の家づりでしたので、左官さんの下塗りの壁までは、
見れていたので、イメージは近いものまで見れていたのだと思います。そして、転職をし、現場監督となりました。
大工時代とは違い、ビニールクロスの
仕上げの部屋ばかり。これが、完成なんだと正直落胆が
大きく当時の気持は今も忘れない。だから、自分の自宅を作るときは、大工時代の家づくりを思い出し、
尚且つ、シンプルに作ることだけを考えました。だから、仕事としてお客様の家づくりに関わる今、
自分が住みたい家しか、つくらない。
自分が住みたくない家は、つくらない。「しか」「は、」は語尾の言葉の意味を変えてしまう。
一つの言葉のかけ違いで全く違う意味にも変わる。
お客さんに伝える分かりやすさ丁寧さも大事にしなきゃ
いけないと思う。この気持ちを一番大事にしています。
自然素材の丁寧な家づくりは、
当たり前だから。当たり前だし
「仕事用の家づくりと自分の
住みたい家づくりが
違うなんて、ありえないでしょ。」