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2015.10.10
完成前の建築現場を見る重要性
こんにちは! 愛知県名古屋市で自然素材にこだわり
住まう人と共に呼吸する家づくりをする
木造注文住宅専門、地域密着工務店の
サイトウホーム代表の斎藤浩司です。工務店社長もタイプは色々ありました。
僕は24歳からこの仕事に就きました。しかも、大工の見習いからという
実に遅いスタート。その後、不動産業を得意とする社長の会社に転職。建て売りの住宅が多く、お客さんのお顔の見えない建築工事は、僕には
何だか元気の出ない仕事。建て売りはお客さんに売れるまでコストがかかる。
要は販売できるまで会社が建築費を全額負担する、と言う事です。大手であるまいし、かなりキツイですよね。
それが、何区画もあると、当然見栄え映えする商品と見えない箇所への
コスト削減。これは何とも言えない感覚。全てとは思いませんが、
不動産の出身の社長は家づくりに対して土地とセットという感覚が
強く、家づくりに対しての衝突がよくありました。建築条件付きの物件は
お客さんが気の毒に感じました。次にお世話になった会社はデザイン重視の住宅会社。社長は元、
ハウスメーカーのトップ営業マン。しなやかに語り、その魅力は凄かった。家を売るプロですから、いつも凄いなと思っていました。
しかし、現場に行くと職人さん達からは全く反対の評価。
僕はあんなに良い人なのに、職人さん達から言われる言葉が凄く嫌でした。
職人さんがそろえて言うその言葉とは「社長、現場知らないもん」
家を現場で作るのは大工さん始め職人さん。
住宅を売るのはプロでも家づくりは素人。今考えると、これも驚きですが、年間15棟前後施工する会社なのに
現場監督は僕が採用初めて。
いつも現場に行くと専属の大工さんのやりたい放題。掃除はしないし
お弁当のゴミまで一緒に置いてある。これでは、いかん、何のために
僕がこの会社に来たんだ。社長の事を馬鹿にして調子に乗り、図面と指示通りの仕事をしない。
専属大工さんとの衝突。当時まだ若い僕は色んな意味で経験を積ませてもらった。大工の親方から学んだ事
現場を綺麗にする。道具を大事にする。次にお世話になった会社はカーテン、クロスの内装屋さん。内装屋さんだけど
マンションのリフォームはやっている、ここも社長は建築知らず。
何だか、悪口が続くようですが実際、本当に多いんです。建築素人の工務店社長
職人任せの工務店社長3年ほど前の話ですが、
「アイパットを建築現場で活用しよう」
という説明会というかセミナーでした。
今はSNSを僕も覚えて、情報を発信したり想いを伝えている。
リアルタイムで色々と情報が入りとても貴重でも、当時の僕は全く無知でした。先ず、そのセミナーの概要は
アイパットで現場を管理して職人さん皆に渡して連絡のやり取りは
職人さん同志で行う。職人さんがアイパットを覚えれば、現場の納まりなど
打合せは職人さん同士がやればいい。僕はこの言葉を聞いてある意味、心打たれました。
「情けないと」
このセミナーに賛同する同業者の素性を知ると
「現場とは無関係な畑出身の社長達」
聞いていて怒りがこみ上げてきました。
よっぽど途中退席しようと思いましたが、「真逆の意見も自分を知る上で必要」
と考えなおしていたら不思議と冷静になれました。
僕が見本にしている工務店の社長は
やっぱり大工への憧れや元々、
現場上がりで現場を知り尽くした方々。「そんな社長さんとの会話は魅力的」
しかし、工務店の社長が皆、プロかと言えばそうでない。
でも、現場は正直だから建築現場に行くと直ぐ分ります。「だって、現場は正直だから」
職人さんこそ、ド正直ですからね。工務店と職人さんの関係は
現場の風景と会話で直ぐ分ります。以前の僕が勤めていたように。因みに、サイトウホームは妙な上下関係は一切ございません。
皆、Win-Winの関係。その念頭にはお互いさまである事。双方に得のある関係でないといけないと良い関係とは言えません。
大手さんの住宅展示場にも沢山参考になる事があります。
でも、生きた建築現場を見る事も
とっても重要だと思います。